豊丘村で残土処分計画の住民説明会 JR東海が維持管理計画に言及

リニア中央新幹線

[ 2017年 1月 31日 火曜日 15時06分 ]

残土候補地の下流域を対象にした住民説明会

 リニア中央新幹線建設工事に伴う残土処分計画で、JR東海は1月30日夜、豊丘村の2カ所の処分候補地のうち山間地の本山(神稲)について、候補地の下流域を対象にした住民説明会を村交流学習センターゆめあるてで開いた。埋め立ての設計図や防災設備などを示し、JR側は「多くの人の理解が得られた」との認識。質疑応答では埋め立て後の具体的な維持管理にも言及し、管理期間は「山林の保水能力が回復するまでを目安」とした。

 

 県内のリニア計画を巡り、阿部守一知事とJRの柘植康英社長が1月23日に「トップ会談」を行い、発生土置き場の安全性確保を求めた知事に対し、柘植社長は埋め立て後の維持管理について「責任を持って対応することを念頭に検討する」と回答。「管理は地権者」としてきた従来の方針を転換した。

 

 天竜川から約10キロ離れた本山の候補地は村内を流れる虻川上流の山間に位置し、その沢筋を埋め立てる。この日の説明会は下流域住民ら約70人が集まり、質疑応答でJR側は「工事後も責任を持って発生土置き場を管理する」と繰り返し強調した。管理期間は「少なくとも20~30年」とみており、保水能力が確保できなければ延長もあるとした。

 

 虻川が氾濫した1961(昭和36)年の三六災害を例に、埋め土による土砂災害の発生を懸念する声には「三六災害の約1・7倍の流下能力で水路を設計している。三六災害規模の雨が降り続いても調整池は越流しない」などと安全性を強調した。

 

 設計図だと、盛り土面積は約8ヘクタール。容量は、大鹿村―豊丘村の伊那山地トンネル(15・3キロ)の村内2カ所の非常口(作業用トンネル)から出る約130万立方メートル。盛り土の安全性を高めるため3カ所に埋設工を設置する。盛り土の表面に水路、盛り土内には排水管を設ける。下流部にはコンクリート造りの擁壁を置き、さらに下部には調整池(容量1400立方メートル、面積850平方メートル)を設置する。埋め立て後は植樹と緑化によって山林に戻す計画だ。

 

 伊那山地トンネルのうち中間付近の坂島工区(5・1キロ)では最大で地下900メートル以上の深さを掘る。山腹から作業用トンネルを本線に向かって掘り、到達点から大鹿村方面へ本線を掘り進める。

 

 坂島非常口のトンネル掘削工事は最短で今夏開始としていたが、今秋にずれ込む計画で、JR側は「林道改良や工事用車両の運行ルートなどについて地元と慎重に協議しているため」と説明した。本山の候補地の埋め立てを始めるのも同時期になる見通し。

 

 坂島工区について、JRは昨年9月、大手ゼネコン清水建設(東京)を代表とする共同企業体(JV)と工事契約を締結した。工期は2026年9月30日まで。

  

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