飯田は飯田線と接続、見えてきたリニアの青写真

リニア中央新幹線

[ 2009年 8月 7日 金曜日 14時44分 ]

 工事費や輸送需要量の試算をめぐり、JR東海が積算の根拠とした数値や仮定。それらを踏まえ、同社が描く南アルプスルート(Cルート)の構想に飯田駅が含まれることが分かり、その青写真が浮かび上がってきた。南アルートの場合、県内の中間駅は飯田市もしくは周辺町村の飯田線上に置かれることになりそうで、各駅停車の所要時間(東京―名古屋間)は直行より26分長い72分になるという。同社の回答要旨をまとめた。

リニアの主力は直行
迂回で県内増も全体は減

 JR東海は南信地域を「飯田市と周辺町村」(飯田エリア)、「諏訪と上伊那」(諏訪上伊那エリア)の2つに分け、直線の南アルートの場合は飯田に、迂回の伊那谷ルートは諏訪上伊那に中間駅を設けると仮定。飯田の場合は飯田線に、諏訪上伊那の場合は中央線に接続するものとした。

 全体では南アルートが伊那谷ルートを9%(14億人キロ)上回る。輸送需要量は、県内からの利用者に限っては伊那谷ルートが上回った。

 他の交通機関を利用して周辺地域から集まる人も含めた輸送人員は、飯田からが1日7000人、諏訪上伊那からが1万5000人。すべての中間駅利用者を合わせた中間駅の輸送量は、南アルートが伊那谷ルートを年間3億人キロ下回ると試算した。

 ただ、需要総数に占める県内駅利用者の割合は限定的で、両ルートとも数%程度にとどまると見られる。一方、大半を占める東海道新幹線や航空からの転移、新規創出などによる需要は南アが伊那谷を大きく上回る。

 具体的には、東海道新幹線からの転移で14億人キロ、航空からの転移や新規創出などで17億人キロ、南アルートが伊那谷ルートを上回ると予測。「リニアの輸送需要量は始終点間を直行する旅客が中心であり、最も短い南アルートにおいて、東海道新幹線や航空からの転移、新規創出される需要がもっとも大きくなる。中間駅の位置によって輸送需要量に差が出るが、所要時間が長くなることによって減る直行の旅客を埋めるものではない」とした。

 また、長野県が求めている県内への2駅設置は「全体の需要が減る要素が大きく、増える要素はわずかだ」とし、あらためて否定的な姿勢を示した。

各駅停車は72分
1駅停車で6分延長

 運行ダイヤ(片道)は計算上の仮定として、1時間あたりに直行タイプ4本、各駅停車1本の計5本とした。

 各駅停車は1駅停車するごとに、減速・停車・加速時間を含めて6分程度の時間を要する。すべての中間駅分を加算した所要時間は南アルートが72分、伊那谷ルートが79分で、南アルートの場合は直行の46分を26分上回る。

 ダイヤについて同社は「システム構築時における人の動きや他交通機関との関係などを踏まえ、想定できる現実の需要に基づいて決定することになる」とした。

 また、料金は東京―大阪間を現行新幹線のぞみの1000円増し、1万5000円と想定している。

中間駅は地元負担
南アトンネルは20キロ

 中間駅の設置費は「利便性向上や開発利益など、受益の大きい地域に負担してほしい」とし、これまでの姿勢を繰り返した。費用をめぐる具体的な言及はなかったが、「地方が3分の1負担する公的財源方式に比べれば格段に小さいものと考える」との表現で、路線建設の地域負担がないため、新幹線の地域請願駅などに比べて割安になるとの見通しを伝えた。

 可否判断をめぐり、疑問の声も聞かれる南アルプスのトンネル建設は「十分な調査と学識経験者や施工経験者など専門家による委員会の見解も踏まえている」と自信を示し、南アの隆起について「突出した値ではないが、そうした点も踏まえている」と説明。自然環境への影響については「すでに国立公園の地下に導水路トンネルや発電所を設置している例があるので、そうした実績も踏まえて自然環境や生活環境に影響を及ぼすことがないよう取り組みに万全を期す」とした。

 また、南アルプストンネルの長さは20キロ程度、断面積は約74平方メートルを想定しているとした。

工事費の積算根拠は示さず
県は工夫を要望

 上伊那や諏訪地域が開示を求めている工事費の積算根拠や単価については、「土地の買い占めを誘発する恐れがある」とし、公表しなかった。

 「南アルートの方が工事費が増こうする可能性が高いのではないか」との質問には「設備数量と単価を乗じ、綿密に求めたものであり、現段階で見込めるものはすべて見込んでいる」と答えた。

 県は「地元が納得できない」とし、過去の工事例などを参考として示すなど、説明の方法に工夫を加えるよう求めている。

  

関連の注目記事

powered by weblio


  

こちらの記事もどうぞ(広告を含む)

     

最近の記事

移住定住推進委が初会合

9月26日土曜日14:49

アサギマダラ 今年も飛来

9月26日土曜日14:10

果物のフードロス解消へ

9月25日金曜日15:29

秋にも花を楽しんで

9月25日金曜日15:27

予定の現新2派が出席

9月24日木曜日15:21

赤い花びっしりと

9月24日木曜日15:17

コロナ禍での結束誓う

9月23日水曜日15:48

7カ月ぶりにアマの舞台

9月23日水曜日14:53

「実りゆく」を見に行こう

9月21日月曜日13:59

森林で伐採の見学も

9月21日月曜日13:00

10月から抗原検査開始

9月19日土曜日13:28

コロナ禍でも元気な姿

9月19日土曜日13:52

昼神の宿泊状況「回復傾向」

9月18日金曜日16:48

規模縮小し地域つなぐ

9月18日金曜日16:56

マニフェスト読み比べ

9月17日木曜日15:43








記事の検索はこちらから

















南信州電子版購読



スポンサーリンク

ふるさと納税でもらえる 南信州新聞 ふるさと納税でもらえる 南信州新聞