飯田商工会議所(宮島八束会頭)の第90回は23日、飯田市常盤町の飯田商工会館で開かれ、2008年度事業報告、一般会計・特別会計収支決算など計4議案を承認した。統合による議員定数増加に伴い、新議員の選任を行ったほか、委員会事業についてリニアの早期建設促進と飯田駅設置を推進するリニア中央新幹線特別委員会(仮称)の設置を承認。また5月に発覚した元職員による共済金私的流用事件を受け、新たに会計管理システム構築委員会を組織し、会計処理及び資金移動に伴う事務処理について再発防止策を報告した。
08年度事業は、長年懸案事項だった市内4商工団体の組織統合が4月1日に実現し、合意事項における統合の目的「飯田市内の4商工団体が一体化を図り、より強力な組織として飯田下伊那地域の経済活性化に寄与する」ことをまっとうすべく、商議所の組織改革も併せて推進していくとした。
一方、リニア中央新幹線については、“飯田駅設置推進協議会”を発足して、具体的に駅誘致活動にかかわっていく方針を決めた。また、三遠南信地域連携ビジョンの確立により、同自動車道の早期開通に向け要望活動を展開。「新たな組織で更なる地域活性化活動への弾みをつける年となった」と総括した。
約50人が出席した同会冒頭、宮島会頭は元職員による不祥事に再度頭を下げ、「リニア建設もより具体的な動きがあり、期待が膨らむ」とした上で“リニア駅設置推進協議会”では、民間の力で行政が打ち出せないような部分も打ち出していきたい。気を引き締めて、新たな気持ちで進めていきたい」とさらなる協力を呼び掛けた。
設置を承認したリニア特別委員会は、専門委としては会館建替え事案に続いて2例目。この日参加した議員からは「周囲の状況からみても強力に進めていくことが必要。母体はあったほうが良い」などの賛成意見もあり、全会一致で設立を承認した。同商議所では、国土交通省がJR東海に追加調査を指示した建設費を含む4項目の結果を念頭に「会頭がトップに就き、副会頭も含め20人ほどで組織したい。民間団体の代表として、JR東海や県に対して要望活動を行うなど、駅設置に向け積極的に活動展開したい」と述べた。
議事終了後に報告された会計管理システム構築委員会では、外部監事1人、担当副会頭1人、専務を含む商議所幹部職員で構成し、出納帳や通帳・小切手帳の管理から、出納の一括管理体制を整え、特に月1回の残高照合の実施、半期決算監査、年度末監査に先立ち委員会による事前監査の実施をもって再発防止に努めるとした。ネットバンキングは契約を解除して利用を止める。
統合により定数が増加した議員の選任は3号議員が13人から15人、1号議員が44人から55人に増加した。新議員は次の通り。
▽3号議員=柴田忠昭(南信スバル)酒井憲夫(中部電力飯田営業所)▽2号議員=外松豊(戸田屋)後藤吉見(マルヒ)▽1号議員=谷口則之(谷口醸造)下平隆造(高松パン)中井源浪(民宿なかい)宮島俊太郎(エム・アイ電機)稲垣和忠(イナデン)滝嘉秀(滝自動車)高田忠重(高田衣料品店)近藤和志(丸久萬屋商店)宮下忠久(夏目光学)尾澤英治(大萬)井坪寿晴(井坪工務店)原弘也(神稲建設)山田暁(アクサ生命保険飯田営業所)