JRが飯田に工事事務所の新設方針示す

リニア中央新幹線

[ 2014年 10月 20日 月曜日 9時43分 ]

 東京―名古屋間で2027年開業を目指すリニア中央新幹線計画で、国土交通相から工事実施計画の認可を受けたJR東海は17日、長野、岐阜、愛知県の用地取得や工事などを統括する名古屋建設部と、工事管理などを行う中央新幹線工事事務所を沿線各都県に新設する方針を示した。工事事務所は当面、環境保全事務所に併設し、県内は飯田市元町に設置。20日に開設し、「工事の進捗に合わせて拡充する」としている。

 

 「工事を着実に推進するため」(同社)、中央新幹線推進本部中央新幹線建設部内に名古屋建設部と各工事事務所を新設する。

 

 名古屋建設部は、3県での用地取得や協議、工事などを総括する。

 

 工事事務所は長野県飯田市、東京都港区、神奈川県相模原市、山梨県甲府市、静岡県静岡市、岐阜県中津川市、名古屋市の各都県に1カ所ずつ7カ所を設置する。

 

 飯田は環境保全事務所・長野に併設する。

 

 JR東海が8月に申請した工事実施計画について、17日に認可した太田昭宏国交相はその後の会見で、「技術基準への適合、環境への配慮、工事費や完了予定時期の主に3つの観点から審査を行い、実施計画として妥当と判断した」と説明した。

 

 一方、トンネル掘削に伴う建設発生土が多いことやその運搬の地域住民の生活環境、自然環境への影響・事業に伴う水環境や生態系への影響、南アルプストンネルで予想される難工事などを挙げて「多岐にわたる分野での影響が懸念される」と指摘。同社に対して▽地元住民への丁寧な説明を通じて地域の理解と協力を得ること▽国交相意見を踏まえた環境保全▽南アルプストンネルなどにおける安全かつ確実な施工―の3点を求めた。

 

 JR東海は「日本の大動脈輸送の二重系化を実現するプロジェクトがいよいよ建設の段階に入っていく。関係者の理解や協力をいただきながら、安全と環境、地域との連携を重視し、早期実現に取り組む」とした。

 

 計画認可の報道を受け、飯田下伊那地域の住民らは40年余にわたって求めてきた早期開業の実現に期待を膨らませる一方、沿線からはトンネル掘削に伴う発生土の運搬による生活環境への影響、環境への負荷、土地収用をめぐる不安などの声が聞かれた。

 

 駅ができる上郷飯沼北条の北条まちづくり委員会・小平茂樹会長は「地域住民の安全・安心な暮らしを守るため、工事説明会でお願いすべき内容を住民の声を踏まえてまとめたい。市を通してのお願いも当然していかねば」。座光寺地区の湯澤英範自治会長は「いよいよ本番という印象。JR東海には丁寧な説明、環境に配慮した工事をお願いしたい。地元としては魅力的な地域づくりをしていきたい」と話した。

 

 経済界からは、地域経済への効果を期待する声も上がった。

 

 柴田忠昭飯田商工会議所会頭は「手続きが進み、いよいよ工事着工へのゴーサインが出されたことをうれしく思う。環境負荷などの課題もあるが、地域にもたらす効果を前向きに捉え、建設工事が順調に進むよう望む」とコメント。始まる建設工事に関して「地元の業者、資材をできる限り使っていただき、工事期間から開業後まで、地元経済が潤い、発展することを願う」と期待を寄せた。

 

 同社は11月初旬から、飯伊各地で事業説明会を始める考え。計画の目的や工事実施計画の内容、地区ごとの計画概要、今後の事業の流れなどを説明する。

  

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