JR東海 県に回答、工事費の試算根拠は示さず

リニア中央新幹線

[ 2009年 8月 6日 木曜日 14時20分 ]

 東京と名古屋を結ぶリニア中央新幹線計画で、JR東海は4日、長野県と意見交換し、県が説明を求めていた工事費の積算根拠について「公表できない」との姿勢をあらためて示した。県内駅からの想定利用者数も示し、飯田駅は1日7000人とした。県は工事費の積算根拠について「納得できない」とし、再度、説明手法に工夫を加えるよう求めた。

 長野市内で開き、JRからは増田幸宏・東海道新幹線21世紀対策本部長ら、県からは望月孝光企画部長らが出席。県が先に提出した工事費の積算根拠など35項目の疑問点について、同社が回答した。

 上伊那や諏訪地域が強く開示を求めている工事費の積算根拠や単価については、「土地の買い占めを誘発する恐れがある」とし、これまでどおり「公表できない」との立場を強調した。

 県内駅から各都県駅への1日あたりの利用者数も示した。飯田付近への中間駅設置を想定している南アルプスルート(C)の場合は7000人、上伊那・諏訪エリアに設置する伊那谷ルート(B)は1万5000人で、伊那谷ルートが上回った。

 県が求めた県内2駅の場合は「伊那谷ルートで長野県内に駅を複数作っても、経費がかさみ、ダイヤ編成に支障することから全体の需要は減る要素が大きく、逆に増える要素はわずかだ」とした。

 南アルプスのトンネルについては、長さが約20キロ、最も急な勾配は35パーミル、断面積は74平方メートルを想定していると説明。中間駅の工事費については、同社が路線建設費を自己負担することから、「地元の負担額は、地方が3分の1を負担する公的財源方式に比べ、格段に小さいものと考えている」とした。

 輸送需要量の算出根拠としたダイヤについても回答し、1時間あたり片道・直行4本、各駅停車1本の計5本と仮定したとし、東京―名古屋間の各駅停車の所要時間はCが72分、Bが79分とした。

 運賃はのぞみの1000円増し、東京―大阪を1万5000円に設定して試算をしたという。

 工事費の積算根拠について、県は「地元が納得できない」とし、過去の工事例などを参考として示すなど、説明の方法に工夫を加えるよう求めた。

 これまで同様、地元の期成同盟会を対象にした合同説明会の開催も求める考えだが、県交通政策課は「説明手法に工夫が図られた上で、開催を求めることになるだろう」としている。

 JR東海は6、7月に、木曽谷ルート(A)を含む3ルートの工事費や輸送需要などの試算結果を発表した。

 工事費は、Cルートが5兆1000億円、Bルートが5兆7400億円。路線の長さはCが最短の286キロ、Bが346キロで、東京―名古屋間の所要時間はCが最短で40分、Bが7分増の47分だった。

 輸送需要量はCが最多の年間167億人キロで、Bの153億人キロを14億人上回り、年間に必要な維持運営費は南アが1620億円で伊那谷の1810億円より190億円割安―としている。

  

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