JR東海がリニア計画で中間駅の建設費を発表

リニア中央新幹線

[ 2009年 12月 14日 月曜日 15時48分 ]

 東京―名古屋間の2025年開業を目指すJR東海のリニア中央新幹線計画で、同社は11日、長野県などに設置する中間駅について、地上駅の場合は1駅当たり350億円の建設費を想定していることを明らかにした。近く国土交通省に提出する工事費や輸送需要量などをめぐる4項目の調査報告書の骨子とともに県に伝えた。同社は中間駅の建設費を地域負担としたい考えだが、市町村の負担分がどの程度になるかは不明。飯田駅実現を目指す飯田下伊那地域では基金創設の動きが加速しそうだ。

 長野市内で開いた県との実務者協議で示した。中間駅は「1県1駅」を前提とし、全線の東京―大阪間では長野、山梨、岐阜、三重に地上駅、神奈川や奈良に地下駅を設けることを想定している。

 標準的な駅の建設費は用地代を含めて地上駅が約460億円で、うち地域負担を想定している本線部を除いた額を350億円、地下駅は2500億円で同除外分を2200億円とした。

 すべての中間駅の建設費は5900億円で、国土交通省への報告の際はこれまでの試算で明らかにしてきた建設費に同額を加える。東京、名古屋、大阪の駅舎分はすでに建設費の試算に含まれている。

 リニア中間駅は、直線1キロ、幅45メートルの2面4線の島式ホームで、地上駅の場合はホームを支持する構造物や駅外壁、環境対策設備などが必要となる。

 駅には電気施設などが併設されると見られ、建設費は鉄輪方式の新幹線駅を150億円(地上駅)上回る。

 駅設備内の線路部分や各施設について、地域負担分がどこまで及ぶのかは不明で、同社は「具体的な負担について、今後協議させていただく」とした。

 飯田駅設置を目指す飯伊にとっては、圏域が負担する費用がどの程度になるのかが今後の焦点となる。

 路線建設費の負担も求められる従来の整備新幹線の場合は、全国新幹線鉄道整備法に基づき、国(既設新幹線の譲渡収入額含む)が3分の2、地方が3分の1を負担し、県は自己負担額のおよそ1割を市町村に求めている。

 また、開業後に地域の要望で設置する「請願駅(新駅)」の場合は、路線建設費が含まれないため、県と周辺市町村が折半で駅舎設置額を全額負担している。

 リニアの場合は路線建設費をJR東海が負担する方針のため、同社が想定する「地域負担」のあり方は請願駅の型に近いものになる可能性が高いものの、その際、県がどの程度の負担を市町村に求めるかは不明だ。

 同額の提示を受け、飯伊ではこれまでも模索されてきた基金創設を急ぐ動きが活発化しそうだ。

 牧野光朗飯田市長は「リニア中央新幹線飯田駅を目指す当市にとっては貴重なデータ。費用負担のあり方など具体的な内容はこれからだが、いずれにしても駅建設費は相当なものになると見られる。新年度予算における基金創設やリニアを生かす地域のあり方の検討など、取り組みを強化していかなければならない」。リニア飯田駅設置推進協議会の宮島八束会長は「これまでは方向性にズレもあったが、地域を挙げて取り組まなければならない段階に入った。飯田市などと活動の一本化を図りながら、基金創設を急ぎたい」と話した。

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 JR東海と県との実務者協議では、同社が国土交通省に報告する4項目調査の骨子も示した。

 「輸送需要量に対応する供給輸送力などに関する項目」「施設及び車両の技術の開発に関する事項」「建設に要する費用に関する項目」「その他に必要な事項」が柱。「地域との調整」の項目も設け、「経過や地域との調整において説明したデータ、地方自治体の主な意見を記載する」とした。

 会合終了後、小林利弘県交通政策課長は地域調整の項目について「県内で開いた地元説明会で出された意見について、客観的に記載するよう求めた」と説明。JR側から報告書提出の時期をめぐる言及はなかったとした。

  

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