JR東海が座光寺地区で住民説明会

リニア中央新幹線

[ 2018年 6月 7日 木曜日 15時52分 ]

JRが示した残土搬出案

 JR東海は6日、飯田市座光寺地区で住民説明会を開き、トンネルの掘削工法を再検討しているリニア中央新幹線・風越山トンネルの東側区間(飯田市内)について、「地下水への影響が少ないシールド工法が適用可能」と伝えた。地元が懸念している発生土の搬出はベルトコンベヤーを使って従来計画の非常口まで運ぶ検討案を提示。発生土の搬出や運搬経路などについて地元と協議し、年度内にも「工法を確定させたい」とした。

 全長5・6キロの同トンネルは、飯田文化会館北の黒田非常口付近で工区を東西に分ける。「シールド工法が可能」としたのは東側で、上郷飯沼に設置する県内駅の西側から同非常口付近までの約3キロ。段丘上の市街地直下で、土被りは50~100メートル。

 JRは当初、発破を繰り返して掘る山岳トンネル工法のNATM(ナトム)を計画していたが、▽水を通しやすい地質▽地表部と深い地下水がつながっている可能性が高い▽654地点で地下水が利用されている―状況から、2015年11月に再検討する考えを地元に伝えていた。

 15地点でボーリング調査を実施し、地質や地下水位を確認。専門家も交えて検証した。

 シールド工法は先端に刃がある巨大な筒状のシールドマシンを回転させ、岩をくだきながら掘る。

 コンクリートブロックで周りを密閉しながら掘るため、地下水への影響を下げられるが、巨石があったり、水圧が高い場所には適さない。

 地質調査では西側の層で大きな石が確認されたが「風化が進み軟らかくなっている可能性が高い」、風越高校付近で地下水位も上がるが「区間が短い」とし、「シールド工法の適用が技術的に可能」と判断。「同工法での施行に向けて課題の検討を進める」と説明した。

 直線的に掘る特性上、駅の北側に伸ばす土曽川非常口を経ず、駅計画地付近に設ける立坑から直接土が出る。

 JRは地元上郷北条地区の懸念を踏まえ、同非常口に向けて約300メートルのトンネルを掘り、ベルトコンベヤーで土を運ぶ案を提示。非常口計画地には施工ヤードを設け、搬出路はリニア関連道路として県が新設する座光寺上郷道路の利用も「県と協議しながら検討する」とした。

 日程案によると、秋口まで追加の地質調査を実施する。本年度末まで行政や地元と調整し、搬出方法の検討や設計・施工計画を進め、年度内に地元に検討結果を伝える。

 JRによると、同工法はNATMに比べ、一般的には掘削速度が速い。

 説明会には約60人が出席。住民からは運搬経路や騒音対策などについて質問があり、JR側は「対策も含めて今後検討する」と回答した。

 飯田市は「夏以降」としていた登録代替地の閲覧を8月1日に開始すると説明した。

 移転者を対象に、市役所などで閲覧できるようにする。閲覧時には移転に関する意向調査も合わせて行う。

 1日現在の登録物件数は279件で、うち座光寺地区が107件、上郷地区が84件という。

  

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