JR東海が言及[直線なら飯田にリニア駅]

リニア中央新幹線

[ 2009年 7月 23日 木曜日 14時13分 ]

 東京―名古屋を結ぶリニア中央新幹線計画で、南アルプスルート(直線・Cルート)による建設を想定するJR東海の構想に、飯田駅の設置が含まれていることが21日、分かった。金子慎常務が「輸送需要を試算する際、南アルートなら飯田市付近に、伊那谷ルート(迂回・Bルート)なら諏訪・上伊那エリアに設けると想定した」と言及した。経路選定により明暗が分かれる見通しとなったものの、すべての試算で優位性が認められた南アルートによる建設が決まれば、飯田下伊那地域が願う飯田駅の実現が確定的となる。

 自民党リニア特命委員会への試算報告後、会見で説明した。中間駅の設置個所をめぐって、同社が具体的な地域名を挙げたのは初めて。

 同常務は、輸送需要量の推計を行う際のエリア区分で、全国を400のゾーンに分けたと説明。「長野県内に限っていえば、諏訪と上伊那を同一エリア、飯田は別のエリアととらえ、南アルプスルートなら飯田市付近に中間駅を、伊那谷ルートなら諏訪・上伊那エリアに設置すると想定した」と語った。

 同社はまた、先に示した1県1駅の方針を強調し、県内では経路選定によって中間駅設置場所が変わるとの考えを示唆した。

 会見ではまた、松本正之社長が「すべての試算が出そろった」とし、「データを基に、ルート決定に向けて沿線都県との調整を進めたい」と説明。「ルートは最初の段階から合理的なものをと説明してきたが、常識的に考え、データを見ていただければ(南アルートの優位性を)理解してもらえると考えているし、理解してもらいたい」と強調した。

 リニアの駅舎設置をめぐって同社はこれまで、東京側の始点を品川駅付近、名古屋側の始点を名古屋駅付近とする考えを示していたが、中間駅の設置場所に関する言及は控えていた。

 同社が想定する南アルートの場合、長野県内の中間駅は飯田市付近に設置されることが濃厚と見られてきたが、具体名が挙げられたことにより、飯伊の願いがまた一歩、現実に近づいた。伊那谷ルートでの飯田駅設置は想定されていないため、県内で熱している経路選定問題の行方が、飯伊の明暗を分けることになりそうだ。

   *   *

 JR東海が描くリニア計画に、飯田駅の設置が含まれていることが分かった21日、飯伊の関係者からは好意的に受け止める声が聞かれた。一方、伊那谷ルートが飯田駅の実現に結びつかない可能性が高まったため、市民からは県内で揺れる経路選定問題の行方を危ぐする声も出始め、直線支持表明のカードを切るかどうかの議論が再燃している。

 民間80社でつくるリニア飯田駅設置推進協議会の宮島八束会長は「全試算が示され、早期にルート決定が図られるものと期待している」と歓迎した。

 昨年末から直線ルート支持表明の時期を模索しているが、年末までが正念場と踏んで「その時期が来た」とする会員の声も日に日に増えているとし、「直線的なルートで飯田駅が実現するものと信じ、JR東海の希望を応援したい」との表現で民意を代弁した。

 飯田商工会議所リニア推進室も「経路選定が明暗を分ける」と危機感を募らせる市民の声にアンテナを向ける。熊谷秀樹室長は「31日に会合を設け、会員の本音を聞く」とし、「市民の声を反映できる体制を整えたい」と強調した。

 一方、地域間対立を避けるため、経路に関する発言を控えてきた飯伊期成同盟会。JR東海が望んでいると見られる軟着陸を想定してきただけに、会長の牧野光朗・飯田市長にはむずかしい判断が迫られる。

 関係者の間では直線ルートの優位性から「飯田駅は確定的」とする見方が当初から強いものの、政治の介入や県との関係悪化などを危ぐし、経路に関する主張表明の是非をめぐっては意見が二分している。

 飯伊が主張すれば地域間対立は避けられない情勢で、窓口として調整役を担う県の姿勢も問われることになる。村井仁知事は「数字は一定の仮説や前提を置いて作り上げるもの。議論はまだ先」と語った。

 各地、各団体が今回の発表をどのように受け止め、どう対応するのか。正念場に差し掛かった経路問題の行方に注目が集まる。

  

関連の注目記事

powered by weblio


  

こちらの記事もどうぞ(広告を含む)

     

最近の記事

伝統の柚餅子継承へ

12月1日火曜日15:21

8万球が冬夜を彩る

12月1日火曜日15:41

創作神楽でコロナばらい

11月30日月曜日16:20

誇れる文化を毎年発信

11月30日月曜日16:09

県内駅の構造物明らかに

11月28日土曜日14:40

災害想定し避難所開設

11月28日土曜日14:10

シトラスリボンに賛同を

11月27日金曜日15:09

全町民対象に検査補助へ

11月27日金曜日15:00

適切な除雪で交通確保

11月26日木曜日16:50

働く先輩の声に夢膨らむ

11月26日木曜日16:08

12月13日に旗揚げ公演

11月25日水曜日15:14

開かれた場で議論「大切に」

11月25日水曜日15:30

新店舗の詳細検討へ協定

11月24日火曜日15:10

新野の雪祭り 21年は中止

11月24日火曜日15:46

地域を豊かにする地産地消を

11月23日月曜日13:21








記事の検索はこちらから

















南信州電子版購読



スポンサーリンク

ふるさと納税でもらえる 南信州新聞 ふるさと納税でもらえる 南信州新聞