JR東海が風越山トンネルの工法伝える

リニア中央新幹線

[ 2019年 5月 17日 金曜日 15時14分 ]

 JR東海は16日、水資源保全の観点から掘削工法を再検討していたリニア中央新幹線風越山トンネル(5・5キロ)の東側区間(飯田市内)について、「シールド工法で掘削する」と地元に伝えた。住民が懸念する発生土の搬出は、新設トンネルにベルトコンベヤーを通し、従来計画の非常口に運ぶ。来年春ごろまでに詳細な設計を進める。

 同市上郷北条地区で開いた住民説明会で伝えた。

 2つの工区に分けて工事する全長5・6キロの風越山トンネルのうち、黒田工区(工事契約中、2・3キロ)に接続する東側約3・3キロの区間(工区名未決定)。上郷飯沼に設置する県内駅の西側で、段丘上に広がる市街地直下を通り、土被りは50~100メートルになる。

 シールド工法は先端に刃がある巨大な筒状のシールドマシンを回転させ、岩をくだきながら掘削する。コンクリートブロックで周りを密閉しながら掘るため、地下水への影響を低減できるとされる。

 JRは当初、発破を繰り返して掘る山岳トンネル工法のNATM(ナトム)を計画していたが、一帯が「水を通しやすい地質」などとして再検討していた。

 説明会では、15地点で実施したボーリング調査の結果を踏まえ、丸山町付近から東側の区間を「シールド工法で掘る」と伝えた。

 直線的に掘削する工法の特性上、駅計画地付近に設ける立坑から直接、土が出る。

 土の搬出についてJRは「地元の意向を踏まえて1年間検討した」と強調。当初のナトムで計画していた駅の北約300メートルの土曽川非常口まで立坑からトンネルを掘り、ベルトコンベヤーで運ぶ計画を提示した。

 騒音や振動を心配する声には「(ベルコンは)かなり深い位置を計画し、露出しない方向で考えている」とした。

 同非常口付近に施工ヤードを設け、市道や県が新設する座光寺上郷道路の用地を利用し、南信州フルーツライン経由で残土を搬出する。

 日程案によると、来年春ごろまでに本線トンネルとベルコントンネルの設計を進める。合わせて、県と座光寺上郷道路の活用を検討する。

 説明会には住民ら約40人が出席。工法変更について目立つ異論はなかった。

 木下喜文北条地区まちづくり委員長は「ベルコンの計画も含めて具体像がまだよく見えない。詳細に方向を詰め、地元にしっかり伝えてほしい」と話した。

 JRは座光寺の説明会でも、同区間の工法変更を伝える。

  

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