VRでリニア駅周辺を体感

リニア中央新幹線

[ 2016年 11月 25日 金曜日 16時05分 ]

頭部装着ディスプレイを使って確認する学生ら

 ことしが元年といわれるVR(ヴァーチャルリアリティ)の技術を用い、2027年開業予定のリニア中央新幹線の県内駅周辺を一足早く体感しようという試みが飯田コアカレッジ=飯田市松尾明=の学生らにより進められている。神稲建設=同市主税町=との産学連携により、ITスペシャリスト学科の2年生3人が中心となって開発中。専用の頭部装着ディスプレイを使えば、実際の地形をもとに作られた目の前の仮想空間に実物大のリニア駅の風景が広がる。

 開発のきっかけになったのは、同市が春に行ったリニア駅周辺整備のアイデア募集。神稲建設が応募の際に作った路線構造物や地形の立体モデルが基軸になっている。

 システム部の岡島章次長(46)によると、プレゼンテーションをした際に「立体モデルを実物感を持って見せられないか」とする提案が複数からあり、VR化を探ったという。

 コアカレを今春卒業した同部の勝野浩太郎さん(22)が縁になり、同校に開発を打診。千田敦輝さん(19)、鈴木崇大さん(20)、松下健志さん(19)が、卒業研究の一環として担うことになった。

 VR機器は主流の一角に台頭してきたHTC社(台湾)のVIVE、ソフトウェアはゲーム開発で知られるアンリアルエンジン4(米国)を活用。業界ではこの2つの組み合わせが最適解になりつつあるというが、周辺に使用経験者はなく、手探りの開発が続く。

 「ネットにあるわずかな情報を調べ、説明通りに作っても動かないことばかり」と松下さん。今月初旬の開発開始からすでに30時間余を費やしている。

 過程は地道だが、VRの訴求力は大きい。千田さんは「初めて見た時は構造物の大きさに驚いた。実際にリニアが走る時にはこう見えるんだと感じた」と振り返る。

 現在はJR東海や県、市の計画を踏まえてリニア路線や道路を忠実に構成している段階。観察者の視点を空間上に設定して見ることができるが、「2月末までには周辺を移動できるようにしたい」(鈴木さん)という。

 「母校との連携は刺激になる」と話すのは先輩の勝野さん。「早くから先端技術を使うことで力を付け、自分も後輩も社会に役立つ人材になれたら」。岡島次長は、モデル住宅のプレゼンでの活用を視野に社への還元を見据えている。

 一般公開するかは未定だが、両者は「完成後は何らかの形で披露したい」としている。

  

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