国の天然記念物で絶滅危惧(きぐ)種のブッポウソウが、ことしも天龍村にわたり、各所で美しい姿を見せている。ブッポウソウは近く繁殖期に入ると見られるため、村は巣箱などへの不用意な接近を避けるよう呼び掛けている。
村鳥に指定して保護活動を続けている同村に、ことしもブッポウソウがわたった。3日に初確認。現在は天龍小学校の生徒たちが架けた巣箱に素材を運び込む姿が各所で見られている。
今月末から来月上旬にかけてひながかえり、以降は頻繁に給餌をする親鳥の献身的な姿が見られるようになる。
ブッポウソウは、夏鳥としてユーラシア大陸からわたる。ハトより少し小さく、青緑色の長くてしなやかな翼が特徴で、飛翔昆虫類を空中で捕食するため、高木や高い橋脚がある場所を好む傾向がある。
県内では飯田下伊那地域や北信の一部など、限られた地域でしか姿を見ることができず、レッドデータブックに登録されている。
コノハズクという小型のフクロウの鳴き声「ブッ、ポウ、ソウ(仏法僧)」が名前の由来の1つとされる。その声があまりにも優美なため、容姿が美しいブッポウソウのものに違いないとの勘違いから名付けられたという。本当の鳴き声は「ゲッ、ゲッ、ゲッ」。一方、コノハズクの容姿はブッポウソウに遠く及ばない。