松川町大島の町営温泉宿泊施設「清流苑」近くに生息するホタルの環境を整備しようと、住民有志でつくる清流苑を愛する会(原弘和代表)は8日、ホタルのえさとなるカワニナが増えるよう池を手造りした。
清流苑近くを流れる片桐松川一帯は、古くからゲンジボタルの生息地として知られる。
そこで同会は、施設南側の町有地を流れる小川を「ほたるの里」とし、訪れた観光客に楽しんでもらおうと、2006(平成18)年に幅60センチから1メートル、長さ約70メートルの専用水路を設置した。昨夏には増水や冠水といった悪天候に対応できるよう直径約4メートル、深さ60センチほどの人工池も設けた。
同会によると、ことしはカワニナの数が少なく、ゲンジボタルの乱舞も例年を下回った。「カワニナの繁殖期に水温が低かったのが原因」と考え、カワニナが繁殖しやすい環境として、人口池の下部に長さ7~8メートル、幅3~4メートル、深さ30センチほどの池を新たに整備した。
メンバー12人は重機を使って穴を掘り、石を積み上げるなど手作業で壁を作った。上部の人工池から水が流れるよう水路も手造り。残暑厳しい中、メンバーは額の汗をぬぐいながら懸命に作業した。水路をつたって池に水が注ぎ込むと、自然と笑みがこぼれた。
同会メンバーは「池によって水温が高くなるはず。カワニナの増殖によってホタルが増えることに期待したい」と話していた。