飯田市上村小学校の児童16人が9日、学校の近くを流れる上村川にカジカとアマゴの稚魚を放流した。たくさんのカジカが生息していた昔の姿を取り戻そうとまちづくり委員会が企画。子どもたちは次々とバケツから放ち、「元気よく育って」と願いを込めた。
昨年、一昨年に続き、市の地域環境美化推進モデル事業として上村まちづくり委員会が実施。上村自治振興センター前の河川敷で放流を行った。
放した稚魚は安曇野市の養魚所で育った体長8センチほどのカジカ450匹と南信濃産で15センチほどのアマゴ700匹。バケツを抱えて委員らから十数尾ずつを分けてもらい、水に面して横一線に並んだ。
教員の号令で一斉に放流。ゆっくりとバケツを返し、元気よく泳ぐ魚たちの姿を見守った。
昭和40年代までは、カジカでいっぱいだったという上村川。いまも変わらず清流として親しまれているものの、一部の環境変化や乱捕獲などによって、その数は大きく減っている。
「上村川の昔の姿を取り戻すとともに、地域の自然の素晴らしさを知り、親しむことで古里への思いを育ててほしい」(胡桃沢三郎会長)と、ま委が中心となって3年前から放流を継続。同会長によると、少しずつだが着実に増えはじめているという。
児童会長は「元気に大きく育ってほしい」と川底へ消えていく稚魚たちに願いを込めていた。