「伝統野菜はなぜ残った」3カ国の研修生が清内路を視察

地域の話題

[ 2010年 10月 22日 金曜日 15時06分 ]

 農業に関連した遺伝資源を担当するスリランカとパキスタン、ミャンマーの国家公務員4人が20日、阿智村清内路で伝統野菜を栽培する農家2軒を視察し、種の保存方法、伝統野菜が残った経過と工夫などを学んだ。

 4人はJICA(独立行政法人国際協力機構)の研修生で、農業遺伝資源の収集、特性評価、保存、配布、情報公開を手掛けるジーンバンク(独立行政法人農業生物資源研究所、茨城県つくば市)で研修を受けている。

 清内路の伝統野菜は他品種との交配が進まずに受け継がれていることから、信州大学農学部の紹介で視察対象に。関係者たちは遺伝子的な強さにも興味を示している。

 この日はジーンバンクの研究員、JICA職員、信大農学部教授、通訳とともに清内路を訪れ、櫻井一芳さんと櫻井建樹さんから伝統野菜の特徴、品種ごとに異なる種の保存・越冬方法、他品種との交配を避けるための工夫、良い種を選ぶこつなどを聞いた。

 種の選別に造詣が深く、伝統野菜の漬物で県調理師会料理コンクールの県知事賞を受賞している櫻井一芳さん宅では、封筒や木箱を使った種の保存などを聞いてから畑も視察。「殺虫剤は使うか」「一般的な野菜と値段に差はあるか」などと熱心に質問を重ね、漬物も試食した。

 ジーンバンク主任研究員の奥泉久人さんは「日本の野菜は国外の遺伝資源に依存しているが、生物多様性条約で取り引きが難しくなっている。清内路での視察は、人と人のつながりを大切にしながら続いているもの。海外の担当者と誠心誠意交流し、助け合うことで、遺伝資源の交換もうまくいくはず」と話していた。

  

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