飯田市の次期総合計画「いいだ未来デザイン2028」(2017~28年度)策定に向けた検討を重ねた市民会議「市未来デザイン会議」は28日、市役所で最終会議を開き、今後の進行管理について事務局報告を受けた。4月から実行段階に入ることから、当事者意識を持つ市民の輪を広げ、多様な主体が工夫を改革する「共創のプロセス」の重要性を再確認して一昨年10月からの15回に及んだ検討作業を終えた。
事務局が戦略計画の実施と見直しを繰り返しながら、新たな発想や工夫を取り入れるための進行管理の方向性を説明。着想から検証までの各段階について多様な主体がアイデアを出し合い、事業構想力を高める過程の大切さを確認した他、計画の柔軟な構造に対応し、市民とともに成長する市役所や職員の姿を展望した。
玉置洋一会長(65)は「種をまき、幹を育てる作業を終えた。花や実を付けるため、枝や葉を伸ばすこれからが重要」と強調。「今後は自分たちも当事者意識を持ち、地域づくりに取り組みたい」と決意を述べて締めくくった。
未来デザイン2028は市の第6次基本構想・基本計画にあたる。
「リニアがもたらす大交流時代に『くらし豊かなまち』をデザインする~合言葉はムトス 誰もが主役 飯田未来舞台」をキャッチフレーズに、「私らしいくらしのスタイルを楽しむ」「持続的で力強く自立する」など8つのまちの姿の実現に向けた戦略群で構成し、学卒者の地域内回帰・定着率や合計特殊出生率など項目ごとに進捗状況の確認指標を設けた。
12年間の長期スパンで内外の環境変化も予想されることから、4年や単年度ごとに目標や計画群を見直せる柔軟な仕組みにしている。
市民会議は産学官金労言の各界関係者など24人で構成。同計画案は昨年11月に牧野光朗市長に答申。国の地方創生に関連し、「市版総合戦略」の検討も担った。