東京五輪・パラリンピックの出場選手に村産のスギやヒノキを使った手作りハンガーを贈ろうと奮闘する天龍中学校生徒の取り組みで、昨年末、ドミニカ共和国の日本大使館に贈った50本が、同国特命全権大使の牧内博幸さん(飯田市川路出身)を通じて、このほど野球選手に届けられた。
大使室で牧内さんが同国出身で現在、中日ドラゴンズに所属するソイロ・アルモンテ選手に直接手渡した。
牧内さんは、村の約93%が森林で、その基幹産業の林業と木材を世界にPRすることを目的に、また生徒たちの国際化教育の一環として取り組むハンガー製作の経緯を説明。「ぜひこの国のプロ野球チームの選手たちに届けてほしい。またこれを機会に、家族で天龍村を訪問してもらいたい」などと伝えた。
牧内さんによると、アルモンテ選手はハンガーを触った感触が非常に温かく、香りの良さに驚き「ドミニカ共和国の野球場の選手控え室に、こんな立派な木製ハンガーはない。非常に良い計画で生徒たちのために利用したい」と話したという。
ハンガー製作は、村が東京五輪・パラリンピックの選手村「ビレッジプラザ」の建築に村産ヒノキが使われることを知り、「自分たちも何かできないか」と一昨年秋から着手。開催年にちなんで2020本を目標に掲げ、村の児童や地域住民も巻き込んで製作に励んでいる。
これまでに、吉田沙保里さんが職員の至学館大学(愛知県大府市)に届けるなど村も生徒たちの支援に積極的で、今後は東海大学陸上部や県内出身の実業団選手などにも贈る予定だ。
永嶺誠一村長は「一生懸命作っているハンガーがアスリートに届く実感が生徒たちにも伝わっている。多くの人の支援協力で活動が成り立っていることを忘れず、これからも励んでもらいたい」とエールを送った。
◎写真説明:ハンガーを手渡す牧内大使(右)とソイロ・アルモンテ選手(ドミニカ共和国大使室で)