根羽村産のソバを使って観光振興に取り組む根羽村観光協会(川島達会長)は、昨年12月から村民向けにそば打ち教室を開いている。20日、観光施設「森の駅ネバーランド」で15人ほどの参加者が生地の練りから切りまで一通りの工程を体験した。
同村は10年ほど前から遊休農地を活用したソバ栽培を続け、昨年の収穫量は約2トン。一昨年の約10倍の収穫量で大豊作だったという。
一方で村産のそばを食べたことのある村民がほとんどいないことから、村と観光協会が「根羽村を手打ちそばでもてなす化プロジェクト」を発足。村のそば文化定着と、「来訪者をそばでもてなす村」を目指し全7回の講習を実施している。
4回目のこの日の参加者は住民や観光協会関係者など15人ほど。講師はネバーランド従業員でそば屋で働いた経験のある吉田玄理さん(42)が務めた。
3月に予定していた講習が新型コロナウイルス感染症拡大の影響で中止となったため、そばを打つのは約4カ月ぶり。参加者らは「久しぶりだから忘れちゃったよ」と笑いながらも黙々と下準備を行い、講師から「粉に水を加えてから切るまでのスピードが大切」と教わると、素早く生地を練り上げた。破らないように慎重にのし棒で厚さ1ミリほどにし、裁断して完成させた。
参加した女性(64)は「今日はなかなかうまくいかなかった。次はリベンジしたい」、男性(67)は「段取りを思い出すのに苦労したが、今夜食べるのが楽しみ」とそれぞれ話した。
今後は参加者らが村民に向けてそばを振る舞う会を予定していて、川島会長は「長野県の南の玄関口である村として、いずれは村民がそばを打てるようになってアピールできれば」と話した。
◎写真説明:生地をのし棒で薄く延ばす