“つなぎ舟”の進水式

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[ 2020年 3月 21日 土曜日 14時10分 ]

 天竜川和船文化保存会(杉本忠会長)は20日、飯田市松尾新井の弁天港で、約50年ぶりに復活した「つなぎ舟」の進水式を開いた。製作者自らが船頭となり、時又港まで就航した。

 つなぎ舟は、下った舟を鉄道で運びやすくするため2つに分解できる舟で、1960年代まで観光船として運行されていた。造船技術の伝承を図ろうと同保存会が昨年12月下旬から製作した。同保存会員で船頭兼船大工の3人が携わった。

 写真しか残っておらず、設計図もないため、3人は写真や関係者の記憶を頼りに製作した。スギ板36枚、ヒノキ板6枚を材料に使用。底板を造り、1月中旬に舟の完成を祈願する「板直しの儀」を挙行。その後舟の側面を製作し、約3カ月で完成させた。

 通常の舟と違い、2つの舟を別々に造っていたため、製作者の1人の南島純さん(38)は「ボルトの高さなど接続部分を合わせるのが難しかった」と語った。

 進水式では、製作で指導役を担った矢澤啓志さん(59)がお神酒を舟にかけて清めた。

 舟は南島さんと矢澤さんが船頭となり就航。関係者ら15人を乗せて時又港まで運航した。乗客は新しい舟の木の香りを感じながら、鵞流峡などの風景を楽しんでいた。

 舟は人と人を、地域と地域を結ぶという意味を込め「結舟(ゆいぶね)」と命名。保存会は、結舟で時又港と天龍峡港をつなぎ、弁天港から唐笠港まで運航する催しを計画している。

 南島さんは「手探りの製作だったが、それなりのものが造れたと思う。漕いでいて通常の舟よりやわらかさを感じた。和船の技術を次の世代につないでいけたら」と話していた。

◎写真説明:乗客とともに就航するつなぎ舟

  

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