飯田東中学校りんご並木後援会(原勉会長)は、昨年11月に天皇皇后両陛下が行幸啓で、りんご並木を訪れたことを記念する碑を建立し、14日除幕式を開いた。同校の熊谷邦千加校長が揮毫(きごう)した「天皇皇后両陛下行幸啓記念碑」の文字を刻んだ碑に加え、天皇陛下が同年12月の誕生日会見で発言された「災害復興を機に前より更に良いものを作るという、近年で言う『ビルド・バック・ベター』が既に実行されていることを知った」という、りんご並木を訪れての感想を記した台座も設けられた。
同後援会は、りんご並木の保持・育成を行う生徒らを支援する団体。技術を要する作業の援助や啓蒙活動、経費分担などを目的に1964(昭和39)年に設立し、まちづくり委員会や同校関係者、商工会議所、飯田市、観光協会などで構成する。
同会では、「りんご並木で行われた天皇皇后両陛下と東中生との温かな触れあいの記憶を形として残したい」と記念碑の建立を企画。合わせて、天皇陛下の誕生日会見で、数ある公務の中からりんご並木に触れていただいたことを喜び、天皇陛下の言葉を添えた。市によると、「行幸啓の記念碑は全国各地にあるものの、天皇陛下のお言葉も添えたものは初めてだと、宮内庁より聞いている」という。
式典であいさつに立った原会長は「ビルト・バック・ベターとは、常に新しいことに挑戦する気概を持った飯田市民にまさにぴったりの言葉」とし、参加した生徒らに「卒業後も時折りりんご並木に足を運んでもらい、天皇皇后両陛下との会話や、挑戦する気概を思い起こしてもらえたらうれしい」と呼び掛けた。
完成した記念碑を見つめ、前学友会長の髙木柊馬さん(15)は「天皇皇后両陛下に来ていただいたという歴史を、後世に伝えるものができてうれしい」と、前並木委員長の伊藤千輝さん(15)は「とても光栄なこと。委員長を務めた1年間はたくさんの思い出ができた」と笑顔で話した。
建立費用は約100万円で、同後援会の運営資金を活用。一部をりんご並木に花を植える会(原会長)が負担した。