天龍村のJR飯田線伊那小沢駅周辺に植わるカンザクラがほころび始め、愛らしいピンク色の花が春の訪れを感じさせている。ホーム近くには5本のカンザクラが植わり、木によって、咲き始めやつぼみの状態とバラつきがあるものの、村振興課が14日にも「開花宣言」を出す見通し。
1936(昭和11)年、三信鉄道の伊那小沢駅開業を記念して3本のカンザクラが植樹された。以降も周辺には、カンザクラの他に河津桜や山桜、枝垂れ桜などが植えられ、毎年3月下旬から4月中旬まで花を楽しむことのできる名所として知られるようになった。
2017年9月には台風18号の影響で、10本あったカンザクラのうち半数が折れる被害にあった。中には倒れながらも花を咲かせている木も。枝が地面に近づき地熱の影響を受けやすいせいか、他の木よりも早く開花を進め、一角をピンクに染めて華やかに演出している。
村振興課の大平成二さんによると、例年は2月下旬から3月初旬に開花宣言を発表しており、今年は1、2週間ほど早くなる見込み。「開花に必要とされる寒暖差があまりなく、まだまだ先と見ていたが、2月上旬の冷え込み以降、一気に進んだ印象」と話した。
見頃は例年、開花から1~2週間後に迎えるという。
◎写真説明:ほころび始めた伊那小沢駅のカンザクラ