ネット通じ平和への思い共有

地域の話題

[ 2020年 8月 11日 火曜日 15時38分 ]

 旧満州(中国東北部)で命を落とした全ての人を追悼する「鎮魂の夕べ」が11日、阿智村駒場の満蒙開拓平和記念館で開かれた。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、参列者を限定したが、元開拓団員の講話や満蒙開拓をテーマにしたリレートークなどを動画サイト「ユーチューブ」でライブ配信。インターネットを通じて全国の視聴者と平和への思いを共有した。

 開館した2013年から毎年行っている慰霊祭で、これまでは慰霊セレモニーの後、中国帰国者らと手作りの水ギョーザを食べながら交流する時間を設けていた。

 同館は3密回避の観点から「従来通りの開催は難しい」と判断。交流会は取りやめたが、今年は戦後75年の節目の年であることから、ライブ配信で行うことを決めた。

 配信は3部構成で実施。事前に視聴者を募ったところ、全国から300人を超える申し込みがあり、中にはドイツからの応募もあったという。

 第2部の語り部講話では、14歳の時に旧河野村開拓団員として渡満した久保田諫さん(90)=豊丘村=が「集団自決をひとり生き残って」と題して体験を語った。河野村開拓団が集団自決するに至るまでの経緯をつぶさに伝え、「末代までが平和に過ごせるよう、絶対に戦争を繰り返してはいけない」との強い思いを発信した。

 初めての形式での講話に久保田さんは「変な時代になったなと感じた。年寄りには向かない」と苦笑。それでも「コロナの影響で講話活動も途切れていた。一人でも多くの人に見ていただけたらうれしい」と話し、「視聴した多くの人は戦争は絶対にやってはいけないと思ってくれるのではないか」と期待を寄せた。

 寺沢秀文館長は「戦後75年が経過し、元開拓団員の方の参列も年々減っていた。コロナがなくても時代に合わせた形に変えていかないといけないという課題があった」とし、「ライブ配信なら今まで来館できなかった人たちにも情報を発信できる。今後の活動にも組み込んでいきたい」と話した。

千羽鶴を供える松川高ボランティア部の部員ら

 慰霊セレモニーには、元開拓団員3人と同館スタッフ、ガイドのボランティアを行っている松川高校ボランティア部の約計20人が参列。「旧満州の地で眠る全ての御霊に捧ぐ」と刻まれた鎮魂の碑の前で祈りを捧げ、恒久平和への誓いを新たにした。

 寺沢館長はあいさつで、満蒙開拓は当時の日本人だけでなく、現地の中国人にも多大な被害を及ぼしたことに言及。「加害の面をも含め、国策として推し進められた満蒙開拓の史実を若い人たちと学び、共に語り継ぎ、明日の平和実現のための種まきにしなければならない」と述べた。

 松川高ボランティア部からは21人の部員を代表して5人が参列。ガイド活動自粛中に折った千羽鶴を供え、大平一真部長(18)と宮澤小太郎副部長(17)がメッセージを読み上げた。

 2人は「満蒙開拓の歴史を、私たち平成生まれの高校生が令和という新しい時代に、さらに後世に伝えていく」と決意を述べ、「コロナが一日も早く終息し、記念館が今までのように多くの人が集い、未来に向かって平和をつないでいく場所になれば」と祈った。

◎写真説明:千羽鶴を供える松川高ボランティア部の部員ら

  

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