生き物の暮らしをよくする活動や情報発信に取り組む一般社団法人「恩がえしIILA」(飯田市松尾上溝)は、飯田下伊那地域をサービスエリアにした新事業を企画した。飼育している2頭のヤギを活用した「除草」と「移動動物園」。前裕治代表(39)は「動物を身近な存在に感じてほしい」としている。
中心となる2頭のヤギは、アゴひげがチャームポイントの「一始」と、さまざまなことに興味を示すという「強志」。3月に岡山の動物園から仲間に加わった。
2頭が草を食べる除草作業は「石油燃料や電力、薬剤を使わないので環境に優しいのがポイント」(同代表)。スタッフが同行するためヤギの脱走の心配はないという。
一方、「わぁ! おぉ! へぇ! の感動を生み出したい」との願いを込めた移動動物園「わおへZOO」は、ヤギとの触れ合いやエサやりが可能。個人宅や店舗店、イベントなどを対象にする。
前代表は「飯田に来て15年。身をもって温暖化を感じ、環境改善につながることを動物を活用してできないか考えた」と説明。移動動物園に触れて「遠くにいて来られない人のためや学校でできたら」と話した。
同法人は2019年6月に設立。「子どもたちに動物の大切さを知ってほしい」と、幼稚園などで飼育動物の世話をしている。法人名の「恩がえし」には人と動物への感謝の思いを込めた。
前代表は「なかなか外出ができない今、事業を利用してうまく息抜きしてくれたら。子どもたちを笑顔にしたい」と今後の展望を語った。
◎写真説明:前代表とヤギの一始と強志