南アルプスを目前に望む標高1918メートルのしらびそ高原で24日、上村振興公社が運営する宿泊複合施設「ハイランドしらびそ」(前島道広支配人)が冬季休業を終えてオープンした。残雪がある3000メートル級の山々を前にテープカット。初日から多数が足を運び、雄大な自然パノラマの眺望を楽しんだ。
前日までの降雨で空気が澄みわたり、青空にくっきり浮かび上がった荒川前岳(標高3032メートル)や小赤石岳(3030メートル)などの雪渓を背景に式典を開き、シーズンの到来を祝った。
商工会、農業協同組合、村、市へとつないだバトンを受け継ぎ、2月から他の8施設とともに管理している上村振興公社の山崎紀男社長があいさつ。43年に及ぶしらびそ観光の歴史を振り返り、「従業員が一丸となって運営を進め、ハイランドしらびその魅力を伝えていきたい」と決意を語った。
現施設は1995年にオープン。3階にあった風呂を1階に移し、眺望の良い部屋を新設するリニューアル工事も完了し、新たなシーズンに臨む。
南、中央、北の3アルプスを眺望できることから人気で、年間の利用者数は5000人に上る。この日も中京圏を中心とする県外者も含め、多数が訪問し、山々にカメラを向けていた。
南アの山開きは5月末を予定している。