飯田市下久堅地区で、手すき和紙「ひさかた和紙」作りが最盛期を迎えている。伝統の保存と継承に取り組む「ひさかた和紙保存会」(久保田紀代会長)は22日、恒例のたくり(皮削り)作業の体験会を下久堅ふれあい交流館でスタート。新たに昼の部も設け、初日は地区内外から3人が参加した。2月末までの毎週水曜日、昼と夜に同館で開く。
伝統文化として「ひさかた和紙」を受け継ぐ同地区では、保存会を軸に地域住民らが継承活動を展開。小学生がひさかた和紙で卒業証書の用紙をすくなど、地域を挙げて紙すき文化の維持発展に取り組んでいる。
材料となるコウゾのたくりは、和紙作りに欠かせない工程。従来の体験会は水曜夜に限定していたが、「昼の時間帯で都合が合う人にも体験してほしい」と、今年から昼の部も加えた。
昨年2月に竣工した交流館内の作業場を会場にする初のシーズン。参加者たちは手本を参考に道具を使ってコウゾの皮を削り、会話も楽しみながら和紙づくりへの理解を深めている。
体験会は2月末までで、毎週水曜日の午後1時半と、同7時から。状況によって別の工程のちり取り作業を体験する。
保存会は「興味のある人は気軽に参加してほしい」と呼び掛けている。暖かい服装が必要。
問い合わせは下久堅公民館(電話0265・29・8001)へ。
◎写真説明:体験会でたくり(皮削り)に挑戦