飯田市松尾明の下伊那漁業協同組合(宮島幹夫組合長)は14日、天竜川本流をはじめ飯田松川や阿智川、売木川でアユの稚魚約600キロを放流した。「大きく育って」との願いを込め、同組合員の手により川に放たれた稚魚は、水面を勢いよく飛び跳ねるなど、太陽の光を体に浴びて輝きながら、元気良く泳ぎ始めた。
同組合によると、昨年は2008年に天竜川上流域で発生した土砂崩落の影響で川が白濁。アユの友釣り解禁後も白濁が続き、遊漁量は大きく減少したという。また、白濁により日光が遮断され、アユの餌となるコケが育たず、アユの成育も遅れたという。
こうした状況を受け、ことしは稚魚の放流量を昨年より1トン少ない6トンに。これまで5月にまとめて行ってきた放流も、5月(3・4トン)と7月の2回に分けて実施する。雨が増え白濁が懸念される6月を避けることで、アユへの影響を軽減するねらいだ。
5日間に分け各地て行われた5月の放流も14日が最後。この日放流されたのは、琵琶湖産の稚魚で体長は12センチほど。6月12日に友釣りの解禁を迎え、7月末ごろには体長25センチほどに育つという。