下條村が本年度から取り組んでいる黒ゴマの生産で12日、村農業委員ら8人が同村陽皐の畑で背丈約2メートルに成長した黒ゴマの収穫作業に汗を流した。同委員らは「信州ごま」としてブランド化を進める駒ケ根市を視察した上で、飯田下伊那初となる遊休農地を活用した大量生産の可能性を探り、特産品化を目指す。
新たな機械を導入しなくても生産が可能で、駒ケ根市ではプロジェクト化して取り組んでいることから着目した。農業委員らを中心に下伊那農業改良普及センターの指導を受け、約3アールの畑に6月種をまいた。7月20日に開花を確認してからも順調に育ち、この日初めてとなる刈り取り作業を実施。天日干しで自然乾燥した後、ごまを収穫する。
ことしは試験栽培として約30キロの収穫を見込む。同改良普及センター職員によると「背丈もあり、ごまもしっかり黒く色付いている」と上々の出来栄えといい、参加者らも期待を寄せている。
5月に特産品化に取り組む同市を視察。現在は50社以上の生産者がおり、同市周辺の飲食店や食品会社に地元産ゴマを卸すなど特産物として根付いてきているという。同市で加工販売を専門とするメーカーも、視察した同委員らに「生産してくれれば受け入れる」と話しているといい、斉藤俊二委員長は「作業にそれほどの手間が掛からなければ、遊休農地の有効活用という点からも普及させていきたい」と話している。