下條村は5日、東日本大震災以降、職員交流を通じて友好関係にある福島県泉崎村に、村民有志が用意したジャガイモとタマネギ、カボチャの計290キロ余を贈った。子どもたち向けに学校給食などで活用される予定だ。
泉崎村の職員や議員が下條村を視察したことを機に、2010年4月から下條村への職員派遣を開始。年間2人、4年半で計9人が同村の施策を研修した。派遣によって2村の交流は深まり、11年の大震災後は被災した泉崎村に支援物資として野菜を送り、いまでは交流物資として6年目の取り組みになった。
当初は役場職員や村議員で栽培した野菜を送ったが、地元農家も「収穫した野菜を被災地に届けたい」と村役場に問い合わせ、野菜支援が本格化。日持ちのするものを選び、今回は村内19農家がジャガイモ81キロ、タマネギ45キロ、カボチャ157キロを提供した。
職員研修が終了している現在は業者を通じて発送する。金田憲治村長は「現在は泉崎村でも野菜を収穫できるが、受け入れてくれるうちは継続していきたい」と話している。
下條村は泉崎村で年1回開く産業収穫祭に参加して特産品を販売し、カッセイカマンもショーを繰り広げて交流を深めている。一方、下條村で半年間の研修を終えた泉崎村職員の9人は「下條会」を設立。年1回はリンゴ狩りなどで下條村に訪れるなど顔の見える交流が続いている。