新型コロナウイルス感染拡大によるマスク不足が続く中、根羽村の浅井加惠子さん(83)は、ガーゼ製のマスクづくりに取り組んでいる。材料提供者で同村議会の石原明子議員を通じて村役場などに届け、マスク供給に向けて活動に励んでいる。
高校卒業後、洋服店に勤め、服のすそ上げや袖の直しなどで裁縫の腕を磨いてきた浅井さん。現在は愛用のミシンを使い、お手玉からのれんまで、大小さまざまな作品を制作している。
新型コロナウイルス感染拡大によるマスクの供給不足を受け、石原さんが手作りマスクの製作を発案。ガーゼやゴムひもを持って浅井さんを訪問し、3日からマスクづくりが始まった。
浅井さんは手始めに、市販のガーゼマスクを解体。布の大きさや構造を確認し、ノートに描いた設計図をもとに作業を進めた。
折り方や使う枚数、サイズなど、1枚ずつを作りながら試行錯誤。大きさを縦10センチ、横17センチに整え、鼻にフィットさせるためラッピング用のワイヤーも材料に取り入れて改良した。
作業では手指消毒やアイロンによる熱滅菌も実施。手作りマスクを使用した人からは「洗濯ができる」「眼鏡が曇りにくい」「息がしやすい」と好評を得ているという。
浅井さんは「石原さんが思いついて、材料を用意してくれた。私は縫うだけ」と、照れくさそうに笑顔を見せた。
石原さんは「縫うのが難しい。マスクが買えなくて困っている人にも安心してもらえたら」と話していた。
◎写真説明:寸法を確かめてマスクを作る浅井さん