事務所開設し活動本格化

地域の話題

[ 2020年 7月 11日 土曜日 13時49分 ]

 自然を守る「エコ登山」を提案し、昨年9月に発足した南信州山岳文化伝統の会(飯田市)は、活動拠点となる事務所を南信濃木沢の旧木沢小学校内に開設した。今秋にもモニターツアーを企画するなど、活動を本格化させる。

 同市出身で東京都を拠点に山岳活動していた登山家の大蔵喜福さん(69)が6月にUターンし、山岳文化伝統の会の顧問として中心的な役割を担うことになった。

 南アルプスについて、大蔵さんは「山の資源を生かそうと考えてこなかった場所。世界的にも珍しい」とみる。上村、南信濃の登山口を利用して入山する人は年間1000人程度。毎年多くの登山客が入る北アルプスと比較した上で「(南アは)3000メートル級の頂上には原生林があり、多様な生物も確認できる。登山の歴史がほとんどなく人が入りづらい環境だからこそ、自然が守られた」と魅力を語った。

 地域の自然資源として南アルプスに注目し、自然を傷つけずに残すことを前提とするエコ登山構想を描いた。

 構想によると、登山客は麓の木沢地区から聖岳(標高3013メートル)、光岳(同2591メートル)、赤石岳(同3120メートル)を目指し、置いてくるのは「足跡のみ」。水と食料だけ持って登り、常設するテントで宿泊し、し尿やごみは持ち帰る―といった仕組みで、自然を保護しながら南アルプスを満喫してもらう。

 インバウンド(訪日外国人客)の誘客につながるリニア時代を見据え、地域の魅力を紹介し学習の場にもなる「遠山郷ビジターセンター」を木沢地区内に設置する計画もある。

 構想の具体化に向けては地域連携DMO南信州観光公社(飯田市)とも連携。公社の新規事業に位置付け、「世界水準のDMO形成促進事業」など国の補助金を活用しながら協働して進める。

 大蔵さんは「遠山森林鉄道を含めた林業遺産など、ここには引き付ける魅力がたくさんあり、可能性もある。資源を大事にしながら持続性ある活性化を図りたい」と話した。

◎写真説明:旧木沢小学校内に構えた事務所で大蔵さん

  

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