飯田下伊那地域に「花火シーズン」の到来を告げる、冨士山稲荷神社(市原貴美雄宮司)=飯田市浜井町=の「むぎわら祭り」奉納煙火が7日、開かれた。心配された雨も上がり、神社周辺には多くの人出。待ちに待った花火が次々と夜空を彩る様子を笑顔で見つめた。
かつては崇敬者らが収穫期を迎えた麦わらを持ち寄って松明(たいまつ)を作り、害虫を薫蒸したり、豊作を祈願したことから「むぎわら祭り」と親しまれる同祭。五穀豊穣をはじめ、商売繁盛、家内安全、交通安全などを祈念する祭りとして、多くの信仰を集めている。
参道に並ぶ紅白ちょうちんの明りが風流に足元を照らす中、午後7時半に夜打ちがスタートした。「ドーン」と体に響く大きな音と、目の前いっぱいに広がる大輪の花火は迫力満点で、「きれい」「大きい」といった声があちこちから上がった。あまりの迫力に「怖い」と泣き出す幼児、境内やちょうちんを背景に花火を撮影する若者らの姿も見られた。
クライマックスのスターマインでは、煙の影響で花火が見えにくくなる場面もあったが、息つく間もなく打ちあがる花火に、大きな歓声が上がった。
飯伊地域では今後、夏祭り、秋祭りが各地で開催され、毎週のように花火が夜空を彩る。