貴重な地形や地質が見られるジオパークの国内認定機関「日本ジオパーク委員会」は9日、飯田市、大鹿村、伊那市、富士見町にまたがる「南アルプス(中央構造線エリア)ジオパーク」を再認定した。
審査は4年に1度で、2008年に認定を受けた南アジオパークは12年に続き2回目の再認定となる。10月31日と11月1日の2日間、審査員が現地調査に訪れ、ジオサイトを地域でどう保全し、学びなどに活用しているかを中心に審査した。
同委員会は審査結果の中で、事務局体制の強化や情報発信といった前回審査時に課題とした点について「おおむね改善され、さらに成果を上げている」と指摘。地域活動をけん引するリーダーが生まれていることや、児童生徒向けの教育活動が実践され、それらを支える文化施設などで地質学的に高度な解説が展開されていることも評価した。
一方、南アジオパークが南北に長く位置することを踏まえ「市町村ごとに取り組み方に異なる部分が見られる」との課題も指摘。ただし「事業計画をベースに各専門部会の活動をジオパークエリア全体に広げようと組織や運営体制の強化が図られつつある」として、再認定を決めた。
今回の審査では、南アや糸魚川、隠岐、伊豆大島など国内の計10地域のジオパークが再認定された。