飯田市、伊那市、富士見町、大鹿村でつくる南アルプス世界自然遺産登録長野県連絡協議会(会長・白鳥孝伊那市長)は24日、南アルプス(中央構造線エリア)ジオパーク関係団体と連携し、エリア内に存在する地質遺産を保護しながら、教育や観光に活用するための協議会を発足した。
協議会は、4市町村や観光団体のほか、南アルプスジオパークに関わる活動を展開する「秋葉街道信遠ネットワーク」や「伊那谷自然友の会」なども参加し、20団体でつくる。また、大鹿村中央構造線博物館の河本和朗学芸員や、飯田市美術博物館の坂本正夫専門研究員ら12人がオブザーバーとして加わる。
ジオパークとは、地球(ジオ)の成り立ちなど地球科学的に見て重要な自然遺産を含むとともに、自然に親しむことができる公園。南アルプスジオパークは、日本列島の土台を作った「プレートの沈み込み」にまつわる現象を観察できる優れた地質遺産を有し、自然を題材にした教育普及活動が長年にわたり続けられてきたことなどから、2008年に「日本ジオパーク」として認定された。
この日伊那市役所で開かれた設立総会では、会長に白鳥伊那市長を選出。12年度事業計画では、関係団体が連携し、地質遺産の見どころを広くアピールするとともに、教育・観光資源として活用を図りジオツーリズムを構築するなど、ジオパークを利用した地域振興を推進する方針を確認。また、新たなジオパークガイドの養成にも力を入れていくとした。