南ア世界遺産推進協 ユネスコ・エコパーク実現へ

地域の話題

[ 2011年 5月 31日 火曜日 15時37分 ]

 長野、静岡、山梨3県の飯田市、大鹿村を含む10市町村でつくる「南アルプス世界自然遺産登録推進協議会」(会長・田辺信宏静岡市長)は29日、今年度総会を富士見町で開いた。終了後、協議会が昨年度実施したクライテリア(世界自然遺産登録基準)の評価講演会もあった。

 昨年度の総会で、南アルプスの生態系と生物多様性に関する価値を磨くため、前年度に設置した「生物圏保存地域調査・研究部会」を「ユネスコ・エコパーク推進部会」へ発展させ、ユネスコ・エコパーク登録に向けた活動を開始。南アルプス総合学術検討委員会では、現時点において南アルプスが有する、世界自然遺産登録に向け有望と考えられる項目を評価・選定した。

 今年度は、南アルプスの現時点における学術的な価値をアピールするため、昨年度まで総合学術検討委員会で検討・評価された南アルプスの価値を取りまとめ、環境省などに報告を行う方針。このため、具体的な事業として、南アルプスの世界自然遺産登録の推進に向けて、関係機関の支援を要請するため、8月頃に要望活動を行うとともに、登録に向けた機運を高めるためのメインイベント(世界自然遺産フォーラム)を12月3日に山梨県韮崎市で開催することを決めた。

 また、南アルプスの生態系、生物多様性に関する価値を磨くため、南アルプスのユネスコ・エコパーク登録に向けた活動を本格化する方針。登録に向けた具体的な検討作業を実施するため、ユネスコ・エコパーク推進部会に「ユネスコ・エコパーク登録検討委員会」を設置することを決めた。同検討委員会は、学術関係者と行政職員ら10人以内で構成。学術グループは登録に向けての申請書作成のための具体的検討、行政グループは関係機関や地権者との調整、住民への説明会などを行う。

 南アルプスの世界自然遺産登録に向けては、「地形・地質」「生態系」「生物多様性」の各登録基準に関する学術的知見の集積を図る必要がある。このうち「地形・地質」については、ジオパーク推進部会によりジオパークに関する調査研究をさらに推進。「生態系」と「生物多様性」の分野については、ユネスコ・エコパーク推進部会に登録検討委員会を設置し、南アルプスのユネスコ・エコパーク登録の実現を目指すことにしている。

 総会終了後、4つのクライテリア項目について、学術検討委員会の「自然景観・共生部会」「地形・地質部会」「生態系・生物多様性部会(植物)」「同(動物)」から、世界自然遺産登録に向け有望と考えられる項目の紹介、説明があった。総括した同検討委員会の増沢武弘・静岡大学理学部教授は「南アルプスは本当に世界自然遺産に登録する価値があるか。4つの部会で討議し、登録基準に沿っていろんな角度から評価した結果、登録できる内容を持っている」と自信を示した。

  

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