遊休農地を活用してニンニクを栽培し「にんにくの里づくり」を進める喬木村の小川区は19日、区内の畑で、ニンニクを初収穫した。「予想以上のでき」と住民。将来的には区全体で生産から販売、加工までを手掛けるプランもあり、関係者は第一歩として手ごたえを示した。
区は、県の補助金を活用し、糖度の高さや粒の大きさが特徴の品種「ホワイト6片」の種子を購入。住民から遊休農地約7アールを借り、昨年11月に種子を植えた。
畑は主に、区会議員らでつくる活性化委員会が管理した。この日は委員ら15人が集まり、丁寧に土から掘り起こすと「実が大きい」「根の張りが良く、茎も太い」と喜びの声。試行錯誤で結実したニンニクの出来栄えを確かめていた。
鉱石を土壌に埋めるなど比較栽培も試み、生長の違いも確認した。区長の田中利明さん(68)は「思ったよりもすばらしい球がそろった」と満面の笑みで語った。
収穫した9000球のうち約半数は、区内の全約390戸に10球ずつ配布。各家庭の栽培用の種珠として勧めたりした。残りは乾燥させた上で、今秋に同じ畑に植える予定の種球として利用する。
遊休農地の解消に加え、区の特産物としての広がりにも期待が高まる。区は今秋をめどに、生産者組合を立ち上げて商品化を模索する方針。栽培指導や防除基準をつくり徹底することで、ニンニクのブランド化につなげるとしている。
田中区長は「飯伊で本格的にニンニクを栽培しているところはほとんどないと聞く。恵まれた自然環境を生かし、新たな産業を興すことができたらいい」と期待を膨らませる。