喬木村小川の学遊館で18日、小正月飾りを作る教室があった。児童ら約30人が参加。伊久間の60~70代の住民有志でつくる「スリーA」を講師役に迎え、小さく切りそろえた餅花と蚕の繭に見立てた繭玉を手作りした。
子どもたちを対象にした農業体験の場の提供を主な活動にするスリーAのメンバーが、地元の伝統行事を知ってもらいたいと昨年に続いて企画した。
参加した子どもたちはスリーAのメンバー11人から作り方を教わった。餅花はつきたての餅を使って1センチ四方に加工し、繭玉は米粉を丸めて長さ3センチほどに仕上げた。餅花と繭玉はツゲやカシなどを束ねた木の枝に次々に突き刺し、高さ1・5メートルほどの立派な飾りが出来上がると歓声が上がった。
大きな小正月飾りのほか、30センチほどのかわいらしい飾りも作り、それぞれ自宅に持ち帰った。喬木第一小学校5年の男子児童の一人は「昨年よりもうまくできた。早速家に飾りたいです」とうれしそうに話した。
繭玉はかつて養蚕が盛んだったこの地域の名残とされ、繭の形をしている。スリーA代表の桑原栄蔵さんは「50、60年前まではどの家庭でも作っていたが、いまでは聞かない」と語る。子どもたちが楽しみながら飾り付ける姿を見ると「残していきたい行事の一つです」と感慨を口にした。