飯田市千代の棚田百選「よこね田んぼ」で19日、千代保育園・千栄分園(澤田裕子園長)によるあぜ塗り体験が行われた。園児たちは冷たい泥の感触を楽しみながら自然に親しんだ。
よこね田んぼは芋平地籍に広がる約3ヘクタールの棚田。昔ながらの棚田を後世に残そうと1998年に地元住民で保全委員会(川手重光会長)を発足し、一部の管理を行っている。
あぜ塗りは、水田から水が溢れないようにこねた泥をあぜに塗って補強する作業。田んぼには全園児が訪れたが、年長児15人が水の張った田んぼの中に入り実際に作業し、年少、年中児は見学した。
泥の中に足を入れると「冷たい」「ぐしゃぐしゃする」と歓声を上げた園児たち。モグラの開けた穴をふさいだ後、泥が盛られたあぜを木製のこてを使って平らにして補強した。
作業が終わった後は、全身泥まみれになるまで泥遊びを楽しんでいた。
同保育園は今後、1年間にわたってよこね田んぼでの米作りに関わる。「1年間かけての米作りの最初のスタート。地域の皆さんの協力で、とてもいい体験ができている」と澤田園長。
園児たちを見守った市地域おこし協力隊の上原祐二さん(45)は「千代地区ならではの自然を思いっきり楽しみながら、お米の作り方を知ってもらえれば」と話していた。
よこね田んぼでは21日に一般参加のあぜ塗り作業も行われる。問い合わせは保全委員会事務局(0265・59・2003)へ。