阿智村伍和原の平で18、19の両日、座禅草まつりが繰り広げられている。中京方面などから多くの観光客が訪れ、湿地帯のザゼンソウ群生地を見学し、住民の豚汁や甘酒の接待を受けた。
原の平では、住民による原の平活性化委員会(原基浩委員長)を設けて、ザゼンソウの保護活動を続けている。個人所有の森林内の湿地10アールには、3月初旬からザゼンソウが咲き出し、昼神温泉宿泊客などが見学に訪れている。
湿地内に設けられた木道沿いには、濃い茶色のザゼンソウがいくつも顔を出している。中には、色が薄く緑色をした珍しいザゼンソウも見られる。
ザゼンソウは保全が難しく、一般公開した群生地で株数が少なくなる例がある。活性化委員長の原さん(62)によると、原の平では、木の伐採や除草などの管理もなるべく環境を変えないように配慮してきたという。
7―8年ほど前に元気づくり支援金で木道を再整備する際には、地区内全戸の住民が参加し手作業で築き上げた。「ザゼンソウは、地域の皆が一つにまとまって地域づくりをする一つのきっかけになっている」と語った。
会場内には、豚汁や甘酒のサービス、地元の農産物や加工品の販売などがあり、訪れた見物客をもてなしている。岐阜市から訪れた女性(52)は「ザゼンソウの群生地を見たのは初めて。昼神温泉には何度も来ているが、こんな場所があるなんて知らなかった」と話していた。
座禅草まつりは19日も午前10時から午後3時まで開催している。ザゼンソウは月末ごろまで楽しめる。