高森町下市田の萩山郷土芸能保存会(古瀬栄一会長)の獅子部と下市田保育園の園児との交流会が15日、下市田区民会館であった。コロナ禍で春祭りの奉納が中止となったが、園児たちは本番さながらの獅子舞を見たり、獅子頭に触れたりと、地域の伝統芸能に親しんだ。
同園では運動会に祭りの太鼓や踊りを取り入れており、子どもたちが獅子舞に興味を持ってきた。保護者会長の北條智也さんが保存会の獅子部の一員だったことから、交流会が実現した。
萩山神社の獅子舞は200年以上の歴史があり、「門外不出」との言い伝えにより獅子舞フェスタなど他の行事に参加していない。小学生演じる松王、梅王、桜丸の3人の獅子ひきが、主君のあだを獅子頭に見立てて討ち果たすという歌舞伎の場面を再現している。
交流会では、屋台獅子ではないものの、3年前に新調した本獅子頭を使用して本番さながらの舞を披露。園児たちも「あよやさー、さーい」という獅子を起こす掛け声に加わった。
後半は、実際の獅子頭を貸し出して触れ合い体験をした。獅子頭を持ったり、頭をかんでもらったり、幌(ほろ)に入ったりと思い思いに楽しんだ。
獅子部の矢澤克浩部長(51)は「思い出に残る体験をすることで、子どもたちが大人になった時に担い手として受け継いでいってほしい」と話した。
◎写真説明:獅子舞に触れる園児ら