飯田城主堀氏から拝領されたとされる、飯田市仲ノ町の紅梅が咲き始め、周辺住民らに春の訪れを感じさせている。日当たりの良い箇所から深紅のつぼみが膨らみ徐々に開花。今月中旬から下旬には見頃を迎えそうだ。
推定樹齢は約400年といわれ、八重咲きの花が特徴。同市江戸町の呉服店「かのうや」近くの加納邸蔵前にあり、蔵をバックに鮮やかに咲き誇る姿は、周辺住民のみならず、毎年多くの見物人やカメラマンを呼んでいる。
紅梅の世話を続ける加納智恵子さん(82)は、「毎年開花を心待ちにしているが、ことしも無事きれいな姿を見ることができた。まだまだ若い枝も伸びており、その生命力の強さにパワーをもらえる」と笑顔をみせた。
また、脇には加納さんが9年前に植えた同紅梅の種から育った「2世」の若木も。昨年初めて2輪の花が咲いたが、ことしはさらに多くのつぼみをつけている。加納さんは、「紅梅の子孫が順調に育っているのがうれしい」と目を細めた。
場所は同市江戸町の呉服店かのうや北側の細道を入って15メートルほど。江戸町、仲ノ町両側から入ることができる。