売木村「炭焼き継承プロジェクト」

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[ 2016年 11月 19日 土曜日 14時24分 ]

001売木

 売木村が本年度取り組む「炭焼き継承プロジェクト」で17、18の両日、岩倉地区内で造ってきた本窯の天井部分に赤土が盛られ、完成が目前に迫ってきた。早ければ今月末にも売木産のナラを入れて火入れを行い、同時にドーム型天井をたたいて強度を増す作業を施す。村観光課の能見奈津子さん(32)は「天井が崩れなければ窯もいよいよ完成。あとは炭の出来具合に注目したい」と期待を寄せている。

 大正時代から昭和初期に村の一大産業として栄えた炭焼きの技術、文化を継承するプロジェクト。経験豊富な高齢者と移住者などの若い世代でチームを立ち上げ、新しい炭窯を自分たちの手で作り上げて伝統を継承するとともに、「うるぎ炭」のブランド化と販売も視野に活動展開する。

 7月初旬のプロジェクト立ち上げ以降、昔の文献を参考にしたり、岐阜県恵那市への視察を通じて炭窯の研究を重ね、30~80代までの10人が月1、2回、現地に集まって作業を進めてきた。

 本窯の内径は奥行2メートル、幅1・8メートルの円形で高さは約140センチ。内側は耐火レンガ、外壁は石や赤土を使い、木材の出し入れ口と点火口を別々にした。予定では1回の炭焼きに10~14日程度掛かり、300キロほどの炭の完成を見込む。今後は窯が雨風にさらされないよう屋根を付けるほか、手軽に炭焼きが体験できるドラム缶窯2基も造る予定だ。

 能美さんは「農家になりたいと移住するIターン者の冬場の収入源として販売していくことができれば。観光客向けの体験教室も開いていきたい」と話している。参加する後藤勝郎さん(84)は「実際に窯を造るのは初めて。できてみないと分からないが、よくここまで仕上がった」と語った。

 同村の炭焼きの歴史は「1889年に本格的に炭を焼いていた」という記録が残り、1921年には村内に炭焼き職人が77人いた。その後も木炭の需要が増加して35年から40年にかけて最盛期を迎えたとされ、売木村誌によると当時日本一の生産を達成したと記されている。一方、現在は高齢化に伴い、炭焼き職人は村内でたった1人に。「炭焼き消滅の危機に直面している」としてプロジェクトが立ち上がった。県の元気づくり支援金を活用し、総事業費は約240万円。

  

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