飯田市扇町の飯田市動物園は17日、羊の毛刈りを行った。熱中症予防のため、毎年5月ごろに実施。1時間半ほどかけて全身の毛が刈られた羊は、軽やかに外を跳びまわっていた。
1年ぶりに毛を刈られたのはメスの「くるみ」。3人の飼育員と専属の獣医が身体を保定し、15センチほどの長さに生えそろった毛に電動シェーバーを入れた。
獣医によると、シェーバーの重みを使って刈り進めることがコツ。たいていの羊が嫌がり抵抗するが、くるみは大人しい性格で「こんなにいい子でいる羊は初めてだ」と笑った。
毛刈りを終えて飼育員の大崎康平さん(29)は「関節などの細部は難しく苦労した。羊になるべくストレスを与えないためにも、もっと早く上手に刈れるようになりたい」と話した。
園内の羊は一頭のみで、毛刈りも年に1度。なかなか上達せず苦労しているが、年々時間は短くなっているという。
刈った毛は約5キロ。軽くなった身体で外へ出たくるみは、同じ柵内で生活するヤギのポリスと餌を食べた。
動物園は新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、31日まで休園している。再開後は刈り取った毛を使った手作り体験教室を開く予定だ。
◎写真説明:保定して刈り進める