桜の名所として知られる大鹿村大河原の大西公園で20日、恒例のさくら祭り(実行委員会主催)があった。桜の木の下でさまざまなイベントが繰り広げられ、大勢の花見客でにぎわった。
さくら祭りは、村内の太鼓愛好会による「祝太鼓」で幕開け。大鹿さくらの会の菅沼鑑二会長が開会を宣言し、柳島貞康村長は「年に一度のイベントをみんなで楽しもう」と呼び掛けた。公園のほぼ中央にステージを特設し、鹿塩地区郷土芸能保存会による獅子舞、村の有志らでつくる踊りグループ「美翔蓮」、カラオケ大会などがあり、終日にぎわいを見せた。
ことしは例年より1週間ほど花の進みが早く、花はすでに散り始めの状態だったが、来場者はやや肌寒さを感じる公園内で花見などを楽しんだ。大鹿さくらの女王の第8、9代の4人や日本さくらの女王も駆けつけ、祭りに華を添えた。
1961(昭和36)年の集中豪雨災害「三六災害」で大崩落した大西山一帯が整備された後、犠牲者の慰霊と復興を願う住民が約5万平方メートルにおよそ130種類、3000本の桜を植えた。
残雪の赤石岳と彩り豊かな桜の鮮やかな対照が人気を集め、村によると、毎年この時期、県内外から約1万人が訪れる。