大鹿村の2露頭を国天然記念物指定に答申

地域の話題

[ 2013年 6月 24日 月曜日 9時59分 ]

 国の文化審議会は21日、国内最大規模の断層「中央構造線」を鮮明に観察できる場所として知られる大鹿村の2つの露頭について、地質境界が一目で分かるとして、国天然記念物に指定するよう下村博文文部科学相に答申した。

 露頭は、鹿塩地区の北川露頭と大河原地区の安康露頭で、ともに県天然記念物。関東から九州まで連なる延長約1000キロの断層が地表に露出し、中央構造線の様子を間近で観察できる。同審議会では「白亜紀の活動履歴をとどめる断層岩が良好に保存され、地殻変動の活発な国の成り立ちを知る上できわめて重要」などと高い評価を得た。

 指定面積は2カ所で計1万9900平方メートル。村中央構造線博物館学芸員によると、村に甚大な被害をもたらした1961(昭和36)年の集中豪雨「三六災害」で土砂が流され、地質境界を確認できるようになった。

 露頭はともに、東側の主に緑色岩の三波川変成帯と、主に花こう岩の領家変成帯に分かれる。特に領家変成帯には、地温が高く深いところで延ばされるようにして破砕することなく変形した岩石「マイロナイト」が分布。中央構造線の約8000万から9000万年前までさかのぼる活動が刻まれているとされる。

 安康は天竜川支流の青木川にある。学芸員は「これまでに土砂に埋まったり、出てきたりの繰り返し。北川も崩れたりしている」と、保存の難しさを指摘する。国の天然記念物指定については「観察に訪れる人が増え、地元の人にも身近なところに全国に誇るものがあるということを知ってもらえれば」と話した。

 一帯は南アルプス・ジオパークに認定され、村関係者は南アルプス全体で目指している世界ジオパーク登録や、世界自然遺産登録に弾みになると喜ぶ。

 指定されれば、県内の国天然記念物としては29件目。中央構造線の地質境界を示す露頭としては、三重県松阪市の月出の露頭に次いで国内2例目。

  

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