アユ友釣り解禁の6月4日に向け、下伊那業業協同組合(下島保徳組合長)=飯田市松尾明=は19日、天竜川でアユ稚魚の放流を始めた。28日まで6回にわたり行い、昨年と同じ5・7トンを本流と支流に放つ。
初日は組合員約40人が参加し、天竜川本流の弁天橋両岸で240キロ、水神橋で200キロ、桜堤防で300キロ、時又港で190キロ、明神橋上流で100キロ、アピタ高森店近くで600キロをそれぞれ放流した。
稚魚は琵琶湖産が3・8トン、静岡県浜松市の海産が1・9トン。放流時の水温は12度ほどまで上昇した。
同市上郷飯沼の桜堤防では、トラック荷台の水槽から天竜川に放流された10グラムほどの稚魚が元気に飛びはねながらブルーシートを流れ、川に入ると勢いよく泳いで次々と水面に消えた。
下島組合長は「シーズンが天候に恵まれ、多くの方に楽しんでもらうことができたら」と話していた。
泰阜ダムが建設される以前は、天然アユが太平洋から諏訪湖まで遡上(そじょう)した記録が残っているが、多くのダムが建設されてからは放流に頼っている。
3年前から稚魚の量を増やし、放流場所を集中させており、好影響が出ているという。
移動調査のため、一部のアユのあぶらびれを切除し、標識アユとするための作業も実施した。ことしは水神橋付近で放し、移動範囲や量を調べる。