アユ友釣り解禁の6月3日に向け、下伊那漁業協同組合(下島保徳組合長)=飯田市松尾明=は14日、天竜川でアユ稚魚の放流を始めた。5月下旬までに支流も含めて4・6トンを放つ。
初日は組合員約20人が参加し、天竜川本流の弁天橋下流で200キロ、阿島橋―弁天橋間の伊久間堤防で100キロを放流した。
稚魚はいずれも静岡県浜松市の海産。琵琶湖産の不作で、総量は前年より1トン程度減る見通しとなっている。
弁天橋下流では、トラック荷台の水槽から、ホースを使って10グラム強の稚魚を放流した。
水温は例年並みの10度ほど。アユは元気に飛びはねながら川に入り、勢いよく泳いで水面に消えていった。
総量は減る見通しだが、天竜川は両橋付近に集中的に放つことで密度を維持し、支流は前年並みの放流を予定。下島組合長(70)は「影響を軽減する措置を講じているので、解禁後は例年どおり楽しんでもらえたら」と話していた。
泰阜ダムの建設前は、天然アユが太平洋から諏訪湖まで遡上(そじょう)した記録があるが、現在は放流に頼っている。
漁協は「来季は放流量を1トン程度増やしたい」としている。