天竜川の舟下りが市民俗文化財指定

地域の話題

[ 2016年 7月 16日 土曜日 8時14分 ]

天竜川の舟下りが市文化財k 飯田市教育委員会は14日に開いた定例委員会で、天竜川を遊覧する「天竜川の舟下り」を市民俗文化財に指定した。天竜川流域の交通や流通を支えた伝統的な操船・造船技術を現代まで継承しており、日本の川下り遊覧船の草分け的存在であることなどから「この地方の職能の様相を示すとともに、その技術がこの地方にとっての地域的特色を示すもの」としている。

 天竜川の舟下りは、江戸時代から続く天竜川での水運の歴史を継承しつつ、物資輸送の鉄道への転換や泰阜ダム建設による下流域との往来の遮断といった時流に対応して発展してきたもので、1917(大正6)年に遊覧専門の舟下りが開始された。観光川下り舟としては全国で6番目に古く、約100年の歴史がある。

 その歴史の中では多くの文人墨客が舟下りを楽しんでおり、児童文学者の巌谷小波や哲学者の和辻哲郎の紀行文、歌人の斎藤茂吉の歌といった文学作品や書画、歌謡曲、映画などに舟下りや天龍峡が取り上げられている。

 操船は、木曽川・長良川の鵜飼の船頭によってもたらされた技術をもとにしながら、急流での操舟に地域的特徴が見られる。舟は、鵜飼船の系譜に位置づく木造船「サッパ船」で、造船の際は設計図を使わず、船頭が長年の経験と勘を頼りに造り上げている。

 松尾新井の天竜舟下り(杉本忠社長)と龍江の天龍ライン遊舟(半崎信弘社長)が昨年4月、市に文化財登録を申請。市文化財審議委員会で協議し、ことし6月の同委員会で市教委に指定答申を行った。

 市教委では、天竜川の舟下りが河川の遊覧船として国内屈指の歴史と伝統があり、文人墨客に愛されたことから多くの文化を生み出したこと、現存する天竜川流域の川下り舟が申請を行った2社のみで、伝統的な操・造船技術が継承されていることなどから、地域的特色を示す民俗文化財に指定した。

 天竜舟下りと天龍ライン遊舟は「寸法と勘だけで伝えてきた造船技術、先輩の動作を見て体で覚えた操船技術は、後世に残していく責務がある。文化財指定を契機に、市を代表する観光資源として愛していただいている舟下りの維持とさらなる発展を図り、地域振興に尽力したい」とあわせてコメント。

 杉本社長は「これを機に、天龍ライン遊舟さんと一緒に地域に貢献していきたい」、半崎社長は「これからもたくさんのお客さんに来ていただき、舟下りを楽しんでいただけたら」と話している。

 市教委によると、今回の指定で市の文化財総数は99件目、うち民俗では8件目となった。

  

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