天竜川下りシーズンが本格化する大型連休を前に、行政や消防、警察機関などでつくる飯伊地区観光客安全対策推進会議(事務局・南信州地域振興局商工観光課)は24日、事故防止を目的にした安全点検を同河川のコース一帯で行った。信南交通天竜舟下り事業部(飯田市松尾新井)と天龍ライン遊舟(同市龍江)の運航体制や緊急時対策を確認。落水事故を想定した救助訓練も行った。
観光客に安心して楽しんでもらうための総合的な安全点検として、毎年この時期に行っている。
警察と消防、行政機関などから26人が参加。午前は天竜舟下りで川下りの安全対策を聞き、弁天港で通報、救助、救命訓練を行った。
訓練は、15人を乗せた舟が転覆して全員が落水したとの想定。船上と港で心肺蘇生などをしてから、けが人を救急車に乗せるまでの手順を確認し、通報や連絡、救助の体制を点検した。
続いて関係者たちが乗舟し、時又港までのコース上の安全性を入念に確認。検討会で意見を出し合った。
天竜舟下りの杉本忠地域観光事業部長(62)は「安全対策に完璧はない。初心に帰って確認し、安心して楽しんでもらえるようにしたい」、天龍ライン遊舟の半崎信弘社長(56)は「対策を万全にし、事故がないよう取り組みたい」と決意を語った。
午後はライン遊舟でも点検をした。
事務局の南信州地域振興局商工観光課、松下和永課長は「自然が相手で、毎回乗船者が異なるため、小さな対策の積み重ねが重要」と呼び掛けていた。
◎写真説明:乗船して安全点検する参加者ら