天竜川和船文化保存会が造船見学会

地域の話題

[ 2019年 2月 5日 火曜日 16時17分 ]

 信南交通地域観光事業部天竜舟下り(飯田市松尾新井)と天竜ライン遊舟(同市龍江)などでつくる天竜川和船文化保存会が5日から、高森町市田の市田造船所で造船見学会を開いている。期間中、造船所内を公開し、和釘(くぎ)や特殊な道具を使った造船作業を自由に見学することができる。同会の杉本忠会長は「後継者育成のための第一段階としての見学会。地元の若者を中心に多くの人に足を運んでもらい、いずれ船頭や船大工の仕事に就く子どもが出てきてくれれば」と期待を寄せている。7日まで。

 両社で舟下りに使用される和船は、設計図やマニュアルなどが存在せず、船大工による長年の勘によって造られる。元々はそれぞれで和船の造船技術を伝承してきたが、2016年に「天竜川の舟下り」が飯田市民俗文化財に指定されたことを契機に両社が協力。18年には技術の伝承を目的とした同会を立ち上げた。

 4日には、飯田市の追手町小学校の4年生19人が造船所を訪問。作業の安全と丈夫でいい舟ができるよう祈る「板なおし」や、舟底に側板を取り付けていく作業などを見学した。

 児童たちは「1艘の舟にどのくらい板を使うのか」「舟は何年くらいで乗れなくなるのか」などと熱心に質問。30年以上にわたって造船に携わる矢沢啓志さん(58)による和釘打ちの実演もあり、矢沢さんがリズムよく釘を打つ様子を真剣な表情で見つめていた。

 最後には実際に釘打ちに挑戦。子どもたちは船頭たちからアドバイスを受け、重い金づちの扱いに苦労しながらも一生懸命に釘を打ち込んだ。

 男子児童の一人(9)は「金づちが重くて釘も細いので、船頭さんたちのようにリズム良くたたけず、何度も手を打ちそうになった」。先月から造船作業を見学している土佐船友の会(高知市)の片岡博仁さん(64)は「ここまで大きな舟を造ったことはないのでとても勉強になる」と話した。

 子どもたちを指導した矢沢さんは「天竜川下りをしたことのない地元の人は多い。見学会を通じて、まずは舟下りのことを知ってもらいたい」と話していた。

 天竜舟下りでは比較的客の少ない冬期に船頭が船大工になり、手仕事で舟を手造りする。今年は県の元気づくり支援金の助成を受け、全長12・7メートルの和船2艘を造る予定。

 先月14日から船頭3人が作業を開始し、現在1艘目を造船中。見学会期間中は、スギ材を張り合わせた舟底に側板を積み重ねていく工程などを見ることができる。

 見学は無料で申し込み不要。午前10時から午後3時までの間自由に見学できる。問い合わせは同会(0265・24・3345)へ。

◎写真説明:釘打ちに挑戦する追手町小の児童

  

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