天竜舟下りの造船仕上げ

地域の話題

[ 2014年 3月 26日 水曜日 9時59分 ]

 高森町の市田造船場で25日、天竜川を下る木製の舟の仕上げ作業が始まった。天竜舟下り(飯田市松尾)の船頭が船大工となって独特のリズムで金づちを打ち付けた。今後安全祈願祭を経て、早ければ来月下旬から定期船として利用される。

 船頭の矢沢啓志さん(53)と南島純さん(32)が1月から造船作業に入った。舟は30人乗り、長さ約12メートル。底や側面にスギ板を張り、この日は側面の上部にヒノキ板を重ねた。矢沢さんは船大工歴27年のベテランとあって手際よく釘を打ち込み、独特なリズムが生み出す金属音を造船場内に響かせていた。

 造船作業は江戸時代中期ごろから続く。舟は46枚の板を組み合わせ、約1000本の和釘を打ち込む。矢沢さんによると、簡単な図面しか残っておらず、舟造りは船大工の長年の経験と熟練の技術が頼り。全て手作業のため同じ舟はなく、1艘ごと流れ方も異なる。そのため船頭はそれぞれの特徴をつかんで乗り慣れていくという。

 天竜舟下りでは比較的客の少ない冬期に船頭が船大工となり、匠の技の手仕事で舟を手作りしている。ことしは所有する36艘のうち老朽化に伴い1艘を更新する計画。矢沢さんは「出来はいい。進水が楽しみ」と話した。

  

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