飯田市松尾新井の天竜舟下り(杉本忠社長)は10日、丸太いかだで初めての川下りを行った。来年夏には改良を重ねて一般客向けのいかだ下り体験も計画しており、舟、ラフティングとともに天竜川を楽しむ新たな手段となりそうだ。
同社は昨年舟頭有志により、河川周辺の環境整備で伐採した竹を利用し、竹いかだを作成。ことしの時又灯ろう流しにはイベント的ないかだ下りを行い、見物客に好評だった。
いかだは舟やボートに比べ、緩やかだが目線が低く、波や水しぶきを間近に感じられる面白さがあるという。竹いかだは劣化が早いため、より耐久性のある丸太を選び、南信濃の間伐スギを利用して杉本社長が手作りで製作した。
完成したいかだは長さ約4メートル、幅1・6~1・8メートルほど。3艘あり連結して川を下る予定だ。立ち乗りができるよう手すりもつけられた。今後、試し乗りを重ねて改良を加え、運輸局の検査を経て定員を定めて営業運転を目指す。
この日は、3艘のうち2艘を連結し、弁天港から初めて川下り。前回の竹いかだとともに時又港までの船旅に出発した。杉本社長は「かつては天竜川を使って材木を運んだ歴史もある。いかだは舟と違って身近に水を感じられる。天竜川を楽しむ新しい手段になれば」と話していた。